MACDインディケーターは短期・長期移動平均線のコンバージェンスとダイバージェンスを示します。原則的に2本の移動平均線のクロスと似ていますが、移動平均線の分析をさらに発展させたもので短期の価格の動きが長期の価格の動きよりも早く上昇もしくは下降するときに参考になります。例えば、上昇トレンドのときには短期の移動平均線が長期の移動平均線より早く、差を開きながら上昇します。

MACDインディケーターは短期・長期移動平均線のコンバージェンスとダイバージェンスを示します

MACDインディケーターは短期・長期移動平均線のコンバージェンスとダイバージェンスを示すので、これから詳しく説明します。 まずは、MACDにはいくつかの利用法があり、下記のような情報を与えてくれます。
・ラインが交差した時が買いシグナル
・売りシグナルです
・ゼロ水準を基準にマーケットの強気・弱気、またセンチメントを示します
・振幅により買われ過ぎ
・売られ過ぎレベルを示します
・ダイバージェンスがマーケットトップ・ボトムを示します

※ダイバージェンスは日本語では「逆行現象」といい、チャートとオシレーターの動きが一致していないことを指します。 EUR/USD –日足 - ’05 12月 - ’06 4月 MACD
Figure 1 – MACD指標 青のファストラインと赤のシグナルライン

MACDの構造を理解しよう

MACDは2本の指数平滑移動平均線(EMA)を比較するオシレーター指標である。MACDには3つのEMAを利用していますが、2本のラインのみが表示されます。デフォルトの期間は12,26,9に設定されています。
・MACDライン(ファストライン)は期間26/ 終値、期間12/ 終値のEMAの差(Figure2の青のライン) ・シグナルラインはMACDライン(ファストライン)の期間9のEMA(Figure2の赤のライン)
・MACDライン(ファストライン)とシグナルラインがクロスしたときが買いシグナル、売りシグナル

ヒストグラムはMACDライン(ファストライン)とシグナルラインの差を表します。 MACDB
Figure 2 – EUR/GBP 30分足  MACDとMACD-Line

Figure2の下段のインディケーターはMACD-Lineです。シグナルラインはそのままで、青のファストラインがヒストグラムと置き換えられます。MACDとMACD-Lineは異なるようにみえますが、分析内容はほとんど同じです。MACD-Lineを利用すると、ゼロ水準とのクロスなどの分析が比較的簡単ですが、MACDにある2本のラインの差を示すヒストグラムはありません。

MACDで売買シグナルを探そう

ここでの手法は2本の移動平均線を利用したダブルクロスオーバー手法に似ていますが、MACDは2本の移動平均線のみを用いる際に特有なタイムラグを減少させることができます。
・ファストラインがシグナルラインを上抜いたときが買いシグナルです
・ファストラインがシグナルラインを下抜いたときが売りシグナルです MACDC
Figure 3 – USD/JPY MACDとシグナル

MACDライン(ファストライン)が青、シグナルラインが赤。10日の移動平均線が黒、25日の移動平均線がピンク

1.MACDラインがシグナルラインを上抜いた9月中旬にドル買いのシグナルが出ています(ⅰ)。次に10月中旬に売りシグナルが出ています(ⅱ)。この二つの取引(買いと売り)で得られる利益は多くはありませんが、この後下降トレンドがくることを考慮すれば、ここで建てる売りポジションは利益が見込めます。

2.10月の(ⅱ)売りシグナルが出ているときにドルのショートを建てていれば、12月に(真の)ドル買いのシグナルが出ている(ⅴ)まで円高に乗ることができます。しかし、その前にウィップソウがあります。

3.11月には(ⅲ&ⅳ)騙しの買いシグナル・売りシグナルが出ています。指数移動平均を利用しているときは、1日のうちの大きな価格変動に注意しなければなりません。指数移動平均の算出に用いるデータをゆがめてしまうからです。このような価格変動は指標発表等によることが多いです。(ⅲ)の青いロウソク足の上昇分はその後の2セッションの下落分にほぼ等しいことがわかります。(ⅲ)でウィップソウだと判断して動かずに耐えることができるかどうかはトレーダーの能力にかかっています。テクニカル手法に自動的に従っていれば、ウィップソウで損失が出ることになりかねません。

ウィップソウを判断できる上級者でも判断が難しい初心者でも、(ⅳ)から(ⅴ)の下降トレンドでは利益を得ることが可能でしょう。 前頁の12月上旬(ⅴ)のシグナルの後、ロングポジションを保有しているとします。 MACDD
Figure 3 – USD/JPYMACDとシグナル

MACDライン(ファストライン)が青、シグナルラインが赤。10日の移動平均線が黒、25日の移動平均線がピンク 4.12月の買いシグナル(ⅴ)のあと、1月のマーケットは非常に不安定です。ここでの買いシグナル・売りシグナル(ⅵ, ⅶ, ⅷ, ⅸ)は成功しています。もう1点、指数移動平均を用いたテクニカル指標を利用するうえで注意すべきことは、トレーディングレンジ内(横ばいトレンド)では今後の動きの予測が正確ではないということです。1~3月まではトレーディングレンジが続いていて、MACDのクロスをみて自動的に判断すれば、この期間に損失が出る恐れがあります。

MACDE
Figure 4 –Figure 3の後半部分を拡大して、トレーディングレンジを示すラインを追加したものです

トレーディングレンジを認識できれば、MACDのシグナルが出てもウィップソウと判断し、取引を控えることができます。デイトレーダーや短期の投資家であれば、MACDの設定を調節したり、トレーディングレンジにより適したRSIなどの指標を参考にしたりして取引を行う場合があります。

5.1月下旬(ⅸ)の買いシグナルのあと、買いポジションを保有していれば、2月下旬(ⅹ)に売りシグナルが出たときに売り、3月下旬(ⅺ)の買いシグナルでまた買うことができます。

上級のトレーダーであれば、12月上旬(ⅴ)で買いポジションを建てて以降、トレーディングレンジの間、ポジションを保有し続ける場合もあります。その後、利益確定のために、2月(ⅹ)に売り、3月(ⅺ)に買い戻すでしょう。 または2回目のトレーディングレンジの間もポジションを持ち続け、ドルがブレイクし、MACDが示す次の売りシグナルを待つでしょう。もちろんこの場合、トレーダーの分析は、この期間に円に対してドルを保有していた方が良いという考えに基づいています。

6.シグナル(ⅺ)から(ⅻ)では、4か月のトレーディングレンジの後、ついにトレンドが出ています。ここでは、ドルの上昇トレンドです。4月に(ⅻ)上昇トレンドがピークに達し、MACDラインが収束し、この例で最後の売りシグナルが出ています。ここでドルは108.50の高値をつけています。

MACDのオシレーターとして使う方法

MACDはオシレーターとしても機能し、ゼロを示すセンターラインの上下を振幅します。MACDラインの上下の振幅から通貨の買われ過ぎ、売られ過ぎを判断できます。
・ゼロ水準より上にあるとき買われ過ぎ 数値が高いほど顕著です(Figure 5黒の矢印)
・ゼロ水準より下にあるとき売られ過ぎ 数値が低いほど顕著です(Figure 5赤の矢印)

VTでは通貨ペアによって上限レベルと下限レベルが異なります。(RSIとは異なり計算式が複雑であるため)トレーダーは過去のデータを分析して、適切なレベルを設定する必要があります。

EUR/JPY – 日足 - 2004年12月~2005年8月 MACDF
Figure 5 - EUR/JPY 日足

過去データに基づき上限レベルとして0.9、下限レベルとして-1.3にラインを引いています。

上限レベル・下限レベルを参考にして、買われ過ぎのときが売りのシグナル、売られ過ぎのときが買いシグナルとなります。Figure5では買いシグナルが1月中旬と6月中旬に、売りシグナルが2004年末と8月に出ています。

3月中旬にはMACDが上限レベルに達して売りシグナルを示す矢印が2つあります。3月1日からの価格の反転は短く、すぐに上昇に転じ、トレーディングレンジに入っています。前述のとおり、トレーディングレンジでの指数移動平均の利用には問題があります。しかし、ここでこのストラテジーを利用しているトレーダーであれば、ユーロのショートポジションを保有して、6月の買いシグナルを待つべきでしょう。

MACDの振幅をシグナルとして利用すると、この例からは7か月かけて長期的なストラテジーをもって利益を得ることができるようにみえますが、このシグナルはいつも完璧であるというわけではありません。また、この例は日足でかつ長期間のチャートであり、上限レベルや下限レベルに達していない長い期間があります。マーケットの状況が変化するため、過去の買われ過ぎ・売られ過ぎのレベルも信用できないものになる恐れもあります。しかしながら、上記基本原理はどんな期間にも利用できます。

MACDがゼロ地点でクロスした時の見方

センターラインのゼロをクロスオーバーしたときマーケットの強気・弱気を示します。
・ファストラインがゼロ水準を下抜いたとき、マーケットは弱気です
・ファストラインがゼロ水準を上抜いたとき、マーケットは強気です
・これらのシグナルはマーケットの動きより遅れて出ますが、MACDクロスの確認として有効です
・MACD-Lineインディケーターでは、よりシグナルが見やすいです

EUR/JPY –日足 – 2004年12月~2005年8月 MACDG
Figure 6 – Figure 5と同じ期間のチャートでゼロ水準のクロスオーバーを示しています

センターラインのゼロをクロスオーバーした時買いシグナル、売りシグナルとしては有効に機能しません。Figure6上部の黒い長方形が示すように、新規注文や決済には遅すぎるポイントです。強気と弱気の期間の境界となるラインを半月ほど前にずらしてみれば、チャートでみられる上昇トレンドや下降トレンドにより合致します。

MACD-Lineインディケーターは、比較的新規注文や決済に良いタイミングを示しています。MACD-Lineパネルの黒い楕円がシグナルです。ヒストグラムがピークに達するとともに、反転しています。ここでは、前のセクションの例のように過去のレベルを考慮する必要はありませんが、このストラテジーはピークを見極めるために高度な分析力を必要とします。

また、センターラインクロスオーバーはMACDクロスオーバーが有効かどうかを見極めるのに役に立ちます。

次のセクションでFigure 6を用いて、3つの手法;MACDクロスオーバー、センターラインクロスオーバー、MACD-Lineインディケーターのピークを組み合わせて説明します。

MACDクロスオーバーとMACD-Lineを組み合わせて使う方法

ここでは、前述の3つの解釈を一つの例でみると、シグナルの確認に3つのシグナルがどのように機能しているかを説明します。もちろん、取引を行う際にはひとつのインディケーターに頼らないことが重要です。

EUR/JPY – 日足 – 2004年12月~2005年8月 MACDH
Figure 7 – Figure 6に加えてMACDクロスオーバーが黒の点で、それに対応する価格の動きが黒の長方形で示されています

1.2004年末に売りのMACDクロスオーバーがあります。その後、MACD-Lineのヒストグラムが下降しゼロ水準とクロスし、弱気の局面に入っています。この3つのファクターが揃ってMACDによる売りシグナルの確認となります。

2.MACD-Lineが負の最高値に達し、反転しています。その後、買いのMACDクロスオーバーがあります。MACDラインはゼロに近づき、ゼロ水準とクロスしています。センターラインクロスをもってMACDによる買いシグナルの確認となります。以降、マーケットが強気になってピークに達し、売りのシグナルが出るのを待つことになります。

3.(3)の前に小さなピークがありますが、(3)でMACDラインがクロスし、売りシグナルが出ています。MACD-ラインはここから下降し、弱気の局面に向かっています。 4.注意―この買いのクロスオーバーシグナルは信頼できるものではありません。MACDストラテジーにおいては、強気ではなく弱気局面の買いシグナルを参考にするからです。もしEURの買いを建てれば、すぐ後の売りのシグナルで売るでしょう。この売り(もしくは3.からの売り)のあと取引を有効にするセンターラインクロスオーバーが起こっています。

間違ったシグナル

 MACDI
Figure 8 –Figure 7の後半

5.5月中旬にヒストグラムはボトムに達していて、ここから価格が上昇すると考えればこのレベルで買うこともできます。MACDラインがクロスオーバーしたとき買いシグナルが出ています。前述のMACDの分析からすると、MACDラインはゼロ水準に向かって上昇し、価格も上昇すると考えられます。

6.予測できない価格の動きしかし、予測に反してここで弱気の方向へマーケットを動かす何かが起こっています。おそらくファンダメンタルニュースによるものでしょう。(このケースでは、フランスがEU憲法を否認しました)MACDが再び下降を始めているので、防衛策としてストップの設定をしたうえで再び売りポジションを建てるか、MACDが再び反転・クロスオーバーするまで待って、安値で買いポジションを建てることもできます。

7.6月中旬までにユーロの売りが進み弱気となっており、MACDラインヒストグラムは反転しています。ここで買いポジションを建てることができます。(6)の予測不可能な動きのあとマーケットは神経質になっているようです。この買いはMACDラインがゼロに近づいてゼロ水準でクロスオーバーしたときに確認できます。

8.1回目のピーク(7月末)、2回目のピーク(8月中旬)どちらも売りのタイミングです。1回目のピークは何らかの指標発表によって引き起こされた予測できない価格の動きであると考えられます。

MACDを使ってダイバージェンスを見つける方法

ダイバージェンスとは日本語で「逆行現象」で、チャートとオシレーターの動きが位置していないことを指します。ダイバージェンスを見つけるにはMACDラインと価格のラインをあわせてみる必要があります。

今までにみた3つのシグナル(MACDラインとシグナルラインのクロスオーバー・ゼロ水準のクロスオーバー・ダイバージェンス)のなかで、ダイバージェンスは最も強いシグナルと考えられています。
・負/弱気のダイバージェンス―価格が高値を更新し、MACDが高値に達しないとき、マーケットトップの前兆を示すシグナル。MACDがゼロ水準を超え、買われ過ぎの傾向があればマーケットトップに達している可能性がさらに高いです。
・正/強気のダイバージェンス―MACDがゼロ水準以下の低い値にあり負の最高値を更新すると同時に価格は下落を続けます。これはマーケットボトムの前兆を示すシグナルです。

EUR/USD – 日足 - 2005年5月~2005年11月 MACDJ
Figure 9-2005年6月から10月に正と負のダイバージェンスがみられます

1.6月中旬にユーロの価格が下降トレンド・下落を続ける一方、青のMACDラインは上昇を始めています。正のダイバージェンスの後、上昇へ反転するタイミングがあります。7月と8月は買い圧力に負けて価格が上昇しています。

2.負のダイバージェンスも正のダイバージェンスと同様、反転が起こります。9月上旬に価格はピークに達しているがMACDラインは最高値には達していません。このようなダイバージェンスは上昇トレンドの反転が近いことを示します。MACDラインが最高値に達し損ねたあと、価格が急に下落しています。

この例は日足のチャートで、ダイバージェンスがおよそ3か月離れているため、トレーダーには長期的な姿勢が求められます。もし正のダイバージェンスの直後、7月上旬に1.1900でユーロを買い、9月上旬に1.2500で売れば、約600ピプスの利益となります。この例のダイバージェンスシグナルは新規エントリー・決済について的確な予測を示しています。ダイバージェンスは短期のタイムフレームで生じる場合もありますが、インディケーターに利用する期間を調節することもできます。

MACDヒストグラムについて

MACDはデフォルトでヒストグラムが含まれますが、これを独立した指標と捉えることもできます。ヒストグラムのバーはファストラインとシグナルラインの差を表します。
・ヒストグラムの主な機能はMACDクロスオーバーの予測です。
・ヒストグラムが0のとき、2本のラインはクロスします。

EUR/USD – 日足 - ‘05年9月~‘05年12月
MACDHistogram
Figure 10 – MACDの一部であるMACDヒストグラムの例

ファストラインとシグナルラインの構造については前章MACDを参照してください。

MACDヒストグラムの見方について

ヒストグラムはMACDラインとシグナルラインの差の広がり、狭まりを示します。

USD/JPY – 日足 - ‘05年2月~‘05年6月
MACDHistogram2
Figure 11 – ファストラインとシグナルラインを省いたMACDヒストグラム指標

1.ヒストグラムが0以上から下降を始めれば、上昇トレンドのモメンタムがが弱くなっていることを示します

⇒弱気のシグナル(Figure2の1)

2.ヒストグラムが0以下から上昇を始めれば、下降トレンドまた売り手支配のモメンタムが終息していることを示します。

⇒強気のシグナル(Figure2の2)

実際に売り買いのシグナルが出ていなくても、テクニカル分析においては、ヒストグラムがゼロ水準をクロスするまでのゼロに近づく動きはトレンドのモメンタムがなくなってきている前兆となります。MACDラインがクロスするためにはMACDヒストグラムが0に近づき、ゼロ水準をクロスする必要があります。この解釈からすれば、ヒストグラムがピークに達したもしくは底に達したときが現在保有しているポジションを決済するのにいいタイミングですが、一方、ヒストグラムはゼロに近づくものの反転する場合もあるので、ヒストグラムを参考に新しいポジションを建てるのはリスクがあります。

MACDヒストグラムの使い方について

前頁の基礎を理解できたら、次に2本のラインとヒストグラムにおける正と負のダイバージェンスをみることが重要となります。ダイバージェンスはMACDクロスオーバーが近いことを示します。MACDの項でも述べたように、MACDクロスオーバーは買い・売りシグナルを出し、マーケットトップとボトムを予測するのに有効です。

EUR/GBP - 日足 - ‘06年5月 - ‘06年8月
MACDHistogram3
Figure 12 - EUR/GBP MACDヒストグラムダイバージェンス

1.6月に正のダイバージェンスがあります。
・MACDヒストグラムは、縦線で負の最高値を示したあとゼロ水準に向かっています。
・しかし、MACDと価格は下降を続けています。
・これは強気のMACDクロスオーバー(またはヒストグラムのセンターラインクロス)が近く起こることを警告しています。6月末をみれば確かにそうなっています。
・強気のMACDクロスオーバーはマーケットがボトムに達し、上昇を始める前兆となっています。

2.ヒストグラムが正の最高値に達したあと、7月にはヒストグラムと2本のラインは負のダイバージェンスを形成しています。
・負のダイバージェンスは、弱気のMACDクロスオーバー(またはヒストグラムのセンターラインクロス)が近く起こることを警告しています。
・8月上旬に売りシグナルが出て、トップに達して、そのあとユーロ売りボンド買いの期間が12セッション続いています。

MACDヒストグラムをみれば、MACDクロスオーバーを予測することができます。上記の例では、ヒストグラムのシグナルを認識することで、短期トレンドの反転が近いことを予測することができるでしょう。

まとめ

MACDはテクニカル分析のなかでも最も一般的で有効な指標のひとつであります。これまでクロスオーバーを利用したシグナルの見方、マーケットトップ・ボトムに伴う買われ過ぎ・売られ過ぎレベルの見方、正負のダイバージェンスからトレンド反転予測の手法をみてきました。これらの多用途性からMACDはテクニカル分析のなかでも重要なツールとして利用されています。

ただし、MACDはトレーディングレンジ内では有効に機能せず、ウィップソウを招く一日のうちの急激な価格の上昇に影響を受けることもあるので注意が必要です。MACDを最大限に活用するためには、このような市場の動きを認識して様子をみることが重要です。

MACDのまとめ
MACDインディケーターはシンプルで信頼性があり、広く利用されている指標です。トレンド追従型の特徴とモメンタムオシレーターの特徴を兼ね備えています。
  1. トレンド
ファストラインがシグナルラインより早く上昇するとき 上昇トレンド
ファストラインがシグナルラインより早く下降するとき 下降トレンド
  1. オシレーター
ファストラインがゼロ水準の上にあるとき 買われ過ぎ
ファストラインがゼロ水準の下にあるとき 売られ過ぎ
  1. センターラインクロスオーバー
ファストラインがゼロ水準を下抜いたとき 弱気
ファストラインがゼロ水準を上抜いたとき 強気
シグナル
  1. MACDクロスオーバー (ウィップソウとトレーディングレンジを除く)
ファストラインがシグナルラインを下抜いたとき 売りシグナル
ファストラインがシグナルラインを上抜いたとき 買いシグナル
  1. MACD-Lineのピーク
MACD-Lineヒストグラムが正もしくは負の最高値に達し、反転が始まったとき 新規エントリー・決済シグナル
  1. 負/弱気のダイバージェンス
2本のMACDラインがゼロ水準より十分上にある状態から下降し始め、価格は上昇を続けているとき マーケットトップの前兆/売りシグナル
  1. 正/強気のダイバージェンス
2本のMACDラインがゼロ水準より十分下にある状態から上昇し始め、価格は下降を続けているとき マーケットボトムの前兆/買いシグナル

 MACDヒストグラムインディケーターは長期トレンドを検証するのに有効です。週足チャートはマーケットの方向性やトレンドを判断するのに利用され、日足チャートはエントリーや決済のポイントを微調整するのに利用されます。ヒストグラムの広さ、狭さやダイバージェンスに焦点を当てれば現在起こっている動きを予測することができます。このアプローチにおいては長期のシグナルと合致する日足のシグナルのみが参考にできます。このようにMACDは日足のシグナルのトレンドフィルターとしても機能します。

MACD
ヒストグラム まとめ
MACDヒストグラムはファストラインとシグナルラインの差をバーで示しています。MACDクロスオーバーの予測とモメンタムの上昇や下降を表すのが主な機能です。
  1. トレンドのモメンタム
ヒストグラムが広くなる。 ヒストグラムが最高値に達し、ゼロ水準に向かって狭くなる。 モメンタムが上昇 モメンタムの減少;反転の兆候
  1. 正のダイバージェンス- 強気のダイバージェンス
ヒストグラムが負の最高値に達し、ゼロ水準に向けて上昇を始める。2本のラインは下降を続ける。 マーケットボトム – 買いシグナル
  1. 負のダイバージェンス - 弱気のダイバージェンス
ヒストグラムが正の最高値に達し、ゼロ水準に向けて下降を始める。2本のラインは上昇を続ける。 マーケットトップ- 売りシグナル